フライトシミュレーターを遊んでみたい人向けの解説です。FSX/X-Plane 11 を例に、どのようなものを用意すれば良いか?を説明します。
まずはパソコン
X-Plane のスマホアプリ(Android/iPhone)があるのご存知ですか?あれね、かなーり出来よいですよ。最新版はクリッカブルコックピットになってて、もはや PC 版いらんのちゃうかな?と思ってしまうほどです。フライトシミュレーターに興味はあるがが、余計な出費はできるだけしたくない場合は、とりあえずアプリ版の X-Plane をやってみるのも良いかもしれません。スマホアプリ版は本体無料で、セスナ172とシーラス社のカッチョいいプライベートジェット機が飛ばせます(他の機体は要課金)
…が、そうは言ってもやはりスマホはスマホ。ちっこい画面のタッチインターフェイスだけで複雑なコックピットのスイッチ操作するのは滅茶苦茶ストレスフルだし、PC 版にくらべるとグラフィックはやっぱり見劣りするし、日本の空港はないし、自分で作って追加することもできない!!
というわけで、やるならパソコン版やりましょう。パソコンない人はパソコン買いましょう。なお X-Plane は Windows/Mac/Linux に対応している優れものですが、現行パソコン用フライトシミュレーターは Windows PC でしか動かない事が多いです(大昔は Mac Only のソフトもあった)。
パソコンの必要スペック
パソコンは、いわゆるゲーミングPCと呼ばれるものが必要です。某パラとかパソ工某とかそういう感じのところで売ってるBTOパソコンの「ゲーミングPCのミドルクラス(15万円前後)」であれば、フライトシムのどのタイトルもプレイアブルなスペックはクリアしてると思います。ただ、フライトシミュレーターをプレイする場合はPCスペックは高ければ高いほど恩恵があり、可能な限り高性能なものを用意するのがお勧めです。
とはいうものの、実際問題としてお財布その他諸々のキャパシティには限界がありますので、どのくらいまでのスペックならいけるのか?その臨界点みたいなものを知りたいのが人情というものでしょう。
まず第一にディスクリート・グラフィックス、いわゆるグラフィックボードは必須です。オンボードグラフィックスしか搭載されていないPCではプレイできないか、仮にできてもかなり辛い思いをします。
たとえば「ゲーミング」を謳ってない、普通のビジネスノートPCで遊ぶのは難しいと思ってください。このタイプのノートPCはたいがいオンボードグラフィックなので、シム側のグラフィック設定を最低レベルに振り切ってもかなりキツいです。とりあえずプレイできたとしても、ストレスマッハでハゲそうになります。ハゲたくない人は、オンボードグラフィックスはやめましょう。デスクトップPCであってもメーカー製PCにありがちなオンボードグラフィックスしか載ってないタイプでは同様なことになりますので注意です。
次に、グラフィックボードと同じくらい CPU も重要です。フライトシミュレーターは内部プログラムの都合もあり他のPCゲームよりもかなりCPUパワーを食います。最低でもインテル i3 シリーズ、できれば i7 以上を選択しましょう(同等の AMD でもかまいません)。
それからメモリ。フライトシミュレーターはオブジェクトの使い回しが出来ないシーンを遠方までレンダリングする都合により、メモリをバカスカ食います。なので最低でも 8GB は無いと動かないソフトが出てくると思います(たとえば X-Plane11 は 8G が最低動作条件)。できれば 16GB は欲しいですね。
そしてストレージ。フライトシミュレーターはオブジェクトの使い回しが出来ないシーンを遠方までレンダリングする都合により、起動時の読み込み量が多くまたゲーム中も絶え間なく小さなファイルをバカスカ読み込み続けます。なので、インストールはシーナリーを含めて SSD であることが望ましいですね。容量はインストールしたいフライトシミュレーターアプリが必要とする量プラスその他のあなたの PC の用途にあわせた容量になりますが、参考として X-Plane 11 で全地球シーナリーを選択した場合インストールサイズは 70GB ぐらいです。
Windows OS は必ず64bit版を選択してください。32bit OS はほとんどの現行フライトシムにおいて動作対応外です。
ということで、フライトシミュレーターには、可能な限りハイスペックな PC が良い、スペックが良すぎて無駄になるようなことは無いけども、あまり安すぎないゲーミングPCならばここで述べた条件はだいたいクリアしてるはずなのでOKです。
フライトシミュレーターには必ずグラフィックやシーナリの複雑さの設定があり、多少スペックに見劣りのあるPCでも設定を追い込むことでプレイアブルな状態に調整することは可能です。というか、たいていのフライトシマーは、自分の環境と好みにあわせて調整してプレイしてると思います。
パソコンの周辺機器
パソコンを購入したら安いキーボードとマウスが付いてくるでしょうが、フライトシミュレーターで使うキーボードとマウスは、そういう安いやつでOKです。FPSのように、ゲーミング用モデルのごっついやつは不要です。敢えて言うならキーボードにテンキーがあったほうが望ましいですね。テンキーに視野系のショートカットキーが割り当てられるシムはよくありますし、また自分でキーコンフィグで割り当てて使うのも便利です。
そのかわりと言ってはなんですが、キーボードとマウスだけあれば普通に遊べる他のゲームと違って、フライトシミュレーターではどうしても操縦用のコントロールデバイスが必要になってきます。
コントロールデバイスが無い場合キーボードとマウスで操縦することも可能ではあるんですが、実際やってみるとわかるんですがコントローラーを使うよりもだいぶ操作が難しくなります。例えばFSXシリーズであればシミュレーター設定のリアリティを下げることで、キーボード・マウスでもそれなりに操作できないことは無いので、箱庭系プレイだけやるならそういうパターンもありかもしれません。あるいは大型機しか操縦しないということであれば最小限必要な機体コントロールだけキーとマウスに頼り、ほとんどの工程をオートパイロットで(着陸はオートランディングで!)プレイすることは可能ではあります。
しかしジェネアビの飛行機たとえばセスナ172でクロスカントリーしたい、とかいったプレイを考えるならフライトシム専用デバイスがあったほうが絶対楽しいです。また、コンバット系でもリアル系シムは飛行特性が民間機シム同様にリアルなのでキーやマウスOnlyのプレイはまず難しいです。
フライトコントローラー
フライトシミュレーターを新規に始めるときの最大の鬼門がこれですね。
たとえば X-Plane 11 で飛行機をフルにコントロールしたければ、操縦桿・スロットル・ラダーの3つが揃った『三点セット』が必要になってきます。X-Plane の場合、ラダーが無かったとしても自動ラダーになるのですが、この場合たとえば横風着陸のとき実機のような操作ができなくなります。ちなみに現在流通してるフライトコントローラーでは操縦桿とスロットルは大抵セットになっていて、さらにラダー機能もあるジョイスティック(捻りラダータイプ)もあるので、ばらばらの3つのデバイスを別々に購入しないといけないわけではありません。
これが鬼門になる理由は、まずデバイスがそこそこ高価なこと(ピンキリだけど最低5000円ぐらい、ちゃんとやると数万の出費が必要)、筐体が基本デカいので場所をとりがち、それと入手に面倒を伴うことがあるからです。一般の家電量販店とかには基本的に売っておりませんので、通販がメインになりますが通販を使っても選択肢はかなり少ないです。
まあわたくし同様にイカれたフラシム馬鹿野郎になりきれそうな人だったら、「四の五の言わず万難を排してフライトシム三点セットを買いなさい」と言えるわけですけども、「おもしろそうだから試しにやってみたいな」ってな感じの人に、フライトシム以外にはほとんど使い道が無いデバイス購入を勧める、というのはやっぱりハードルが高い。
そこで、どんなもんか試しに遊んでみたい向きには、とりあえずアナログ軸つきのゲームパッドを使ってみるのは一つの方法かもしれません。
─ ゲームパッドをコントローラーとして使う ─
Logicool F310
まずXBOXとかプレステとかのコントローラーっぽいデザインのアナログ軸のあるタイプのやつを用意しましょう。ゲーマーだったら既に持ってることも多いかもしれませんね。このタイプのゲームコントローラーをフライトシムで使うコツは、シム設定画面でのジョイスティック調整項目をちゃんとすることです。フライトシムは普通のゲームコントローラーは想定してないので、新規に接続した直後はおかしな操作割り当てになってる事がよくあります。アナログ軸やボタンにどの機能を割り当てるかについては個人の好みに依る部分が多いので『これが定番』というのは無いのですが、私はスロットルはアナログ軸には割り振らないのが良いと思ってます。ゲームコントローラーのアナログ軸はバネが入っていて常にセンタリングされるので、スロットルには不向きだからです。スロットルは増減をボタンに割り当てたほうが良いでしょう。また微妙な操作を要求されるラダー操作は割り切って諦めてシム側に備わっているオートラダー(オートコーディネーション)の機能を利用します。シムソフトでは現実と異なり、操縦桿の左右(ロール軸)で地上ステアリングできる事が多いので、ヨーのアナログ軸を別の用途(たとえば視野左右パンニング)に割り振るのも一つの方法です。このように、自分なりのゲームパッドに合わせた最適な設定を追いこんでいくと、慣れればゲームパッドでも結構プレイできるようになります。
“とりあえずゲームパッドでやるから、フライトシミュレーターどこで買うたらええんじゃ?”という人はこちら→フライトシミュレーターの入手
“ゲームパッドではもどかしい、もっとこう、ちゃんとパイロットみたいに操縦したいんだよ俺は!!”…と思ったあなたは次の項目へお進みください。
─ フライトコントローラーを購入する ─
かなり大きな家電量販店やPCショップでも店頭には売ってないです。何年か前までは MadCatz が相当に力を入れていてたとえば大阪日本橋電気街のあちこちのPCショップでもよく Saitek のデバイスを見かけたんですが、MadCatz が経営破綻 Saitek が Logitech(日本ではロジクール)に吸収されて以降はまったく店頭売りがなくなってしまいました。2018年10月の現時点では、関西地区では梅田ヨドバシと日本橋ジョーシンにて店頭売りしているのを確認しておりますが、他で Saitek のフライトコントローラーを売ってるのを見たことがありません。というわけで、デバイスの購入にはネット通販利用しましょう。
Saitek の話ばかりしていますが、他にもフライトシムデバイスを製造するメーカーはあります。
- 元Saitek/MadCatz の商品を扱う Logitech(ロジクール)
- 30年の歴史、安定の CH Products(CHプロダクツ)
- 同じく老舗ブランド Thrustmaster(スラストマスター)
の三大メーカーの製品が、フライトシマーの間ではお勧めとされています。最近は PXN という中国のメーカーが積極的に各種ゲームデバイスを売っているようで、フライトコントローラーもあるようです。
かつてはマイクロソフト他からフォースフィードバック対応のフライトスティックが発売されていた時代がありましたが、2018年現在フォースフィードバック対応している現行モデルが存在していませんので、失速シェイカーの感触を味わいたい方は頑張って中古を探すしかなさそうです。
さて実際にコントローラーを購入するとして、ここで操縦桿のスタイルによって選択が『ジョイスティックタイプ』と『ヨークタイプ』の2つに分岐します。
フライトジョイスティック
CH COMBATSTICK 568
戦闘機タイプの操縦桿です。ジョイスティックといえばこのスタイルなので製品の種類が多く、そこそこ選択肢もあります。ピッチ(縦)、ロール(横)の2軸を操作するスティック、そして大抵はスロットル軸があり、スティック本体や土台部分に複数のボタンを備えています。スティックを左右に捻るとラダー軸になっているタイプもあります。てっぺんにハットスイッチと呼ぶ8方向ボタンがあり、ほとんどのシムではこれで視線を操作する設定になっています。マウスでも視線操作(いわゆるマウスルック)できますが、飛行中はスティックから手を離せないので、VR とか TrackIR を使わない場合ハットスイッチはほぼ必須の機能です。
2018年10月現在にネット通販を検索してみたところ、先述の中国PXNの PXN-2113 が4000円代で販売されてるのが最安値ラインで、スティックタイプの定番商品は1万円前後くらいの価格帯が多くなります。スティックとごつい戦闘機スタイルのスロットルがセットになってる製品(HOTASスタイル)も多いんですが、そういうタイプは値段が一気に跳ねあがります。
日本での入手の容易さと安心感なら元Saitek製品も扱うロジクール、とにかく安くしたいならPXNがお勧めになりますかね。お勧めというか正直そんなに選択肢ないのがこのジャンルの辛いところですが…
またリアル系コンバットシム DCS World のプレイヤーに人気があるのが Thrustmaster HOTAS Warthog です。結構な値段(5万前後から6万円程)しますが、見た目だけでなくボタンの配置なども本物の軍用機(A-10C)に近い感じになってる本格的なタイプです。
フライトヨーク
Saitek Pro Flight Yoke
民間機のヨークタイプです。フライトスティックタイプと異なり、こちらは机に付属のクランプでがっちりと固定するタイプです。コントロールの指先で操作できる部分には、ハットスイッチやトリム用のボタン等が配置されます。
残念ながらこのタイプの選択肢はほとんどありません。Saitek(現ロジクール)か CH Products のどちらかになります。入手のしやすさやコスパはロジクール(Saitek)のほうが良いのですが、CH Products のほうが操作感は良いという評価も見ます。CH Products は公式の日本代理店はないようなので、並行輸入品しかなく、大抵の場合は取り寄せになるようです。
- Logicool PROフライトヨーク 公式サイトの情報
- CH Products Flight Sim Yoke” 公式サイトの情報(英語ONLY)
- CH Products Eclipse Yoke 公式サイトの情報(英語ONLY)
個人輸入のリスクとか値段に糸目をつけなければ、たとえばホームビルドコックピットのパーツを販売している海外の業者まで含めて探すことで、もっと本格的なデバイスもあるんですけども、そこまでいくと初心者にお勧めするようなものではないので除外します。
ラダーペダル
CH PRO PEDALS
足元に設置するペダルです。金具等で床に固定するようにはなってませんが、気になる人はガッチリ固定する人もいるようです。左右ペダルをシーソー状に互い違いに動かしてラダーを操作します。ペダルを爪先方向に倒すと、車輪のブレーキ操作になりますがこれは左右独立して操作できます。実機でも左右のブレーキは独立しています。よって、USBデバイスとしてはボタンが全く無い3軸のみのUSBゲームコントローラーになりますが、値段は二万円越えです。購入にあたり、フライトシマーの心意気が試されるデバイスでもあります。
ラダーペダルも選択肢は非常に少ないです。ロジクール(Saitek)、CH Products、そして Thrustmaster のいずれかになります。私は長らく CH Products のペダルを愛用していて気に入っているのですが(なかなか壊れないのが CH Products 製品の特徴…)、今はロジクールのラダーペダルが一番入手しやく、内容的にもお勧めです。
スロットル・クオドラント
Saitek Throttle Quadrant
フライトスティック、もしくはヨークを購入した時点で普通はスロットル軸も手に入れているわけですが、スティックタイプにおまけのようについているスロットル軸は1軸しかないことが多いので、ピストン機のスロットル/プロペラピッチ/ミクスチャーを独立してコントロールしたい場合に、ロジクール(Saitek) Throttle Quadrant を追加購入するパターンがあります。この製品はロジクールのフライトヨークにセットになっているスロットルモジュールと見た目も機能も全く同じものですが、フライトヨークのセットのやつはヨークに丸型コネクタで接続するインターフェイスで単体では使えず、単体売りのほうはそれ自体がひとつのUSBデバイスになっています。
また、多発機をよりリアルにプレイしたい人も同様にスロットルモジュールを追加してセットを組むことがあります。通常はスロットル軸ひとつでエンジン全部をコントロールする設定になっていますが、スロットル・クオドラントを2つ並べてシム側でバラバラに軸を割り当てればピストン機なら双発、ジェット機なら6発エンジンまで独立して操作できることになります。ちなみに Saitek Throttle Quadrant のハンドル部分の黒/青/赤のプラパーツは抜き差し出来るので、好みの配列に並べ替え可能です。
ヘンコが多い(?)といわれているフライトシマーですが、さすがに”俺は民間機しかやらない、コンバットシムは一切やらない”という人はレアケースでしょう。各フライトシム毎に個別にPCを用意できるような家のスペース・金銭的余裕・家族らの理解がある恵まれた人はともかく、表の顔は一般人だが裏家業としてフライトシムを楽しんでる場合には、机のPCの前のスペースにがっしりと備えつけないといけないヨークタイプは色々問題があるので、エルロンとエレベーターはスティックタイプを使って、エンジン制御は脇に備えつけた Throttle Quadrant を使うというスタイルは都合が良いわけです。そんな半端なミックスだとリアリティ的にどうだろう?という疑問はあるかと思いますが、ヨークスタイルにすれば旅客機としてリアルかといえば、今や旅客機の一大勢力であるエアバス系ならサイドスティック形式ですし、どうしても細かいリアリティに拘る人は結局は特定の機種を再現したホームビルドコックピットの方向へ逝かざるを得ないと思うので、雑食フライトシマーにはこういうスタイルもアリなんじゃないかな、と思ってます。
フライトシミュレーターの入手
Steam のおかげでフライトシムソフトは非常に入手し易くなりました。現行フライトシムだけでなく Steam を探せば懐しいDOS時代のクラシックシムも Windows PCで遊ぶことができるという有り難い時代です。既にSteamで色々なゲームを購入していて管理をまとめておきたいとか、面倒な事あれこれ考えたくない人はフライトシムも Steam で入手するのが早道です。ただし、フライトシミュレーターのメジャータイトルはどれも開発の歴史が長いので、本家サイトからの購入方法も用意されていて Steam からの購入がベストチョイスとは言えないケースがあります。例えば一般的に Steam 版は本家に比べて更新がやや遅れる傾向があります。細かい事を疎かにしたくないプレイヤーは事前によくチェックしてうまくチョイスしたほうが良いでしょう。また現行の代表的リアル系シムタイトルのうち P3D (Prepar3D) だけは Steam の販売はなくまた今後もその可能性はないと思われます。P3D の購入は英語ONLYの公式サイトでクレジット決済のダウンロード販売のみで DVD-ROM 形式の販売もありません。
現行フライトシム全部の細かい事情をここに書き出すと長くなりすぎるので、ここでは X-Plane 11 と FSX について述べておきます。
X-Plane 11 の購入方法
11 というバージョン番号からわかるように長く開発が続いており25年の歴史をもつ民間機フライトシムで、小型機の空力演算には定評があります。Ver 9 あたりからグラフィックやシーナリ(風景)の再現性にも力が入ってきて、現行の Ver 11 はグラフィックも素の FSX を凌駕しているといって良いでしょう。FSX は過去のアドオン資産がものすごいので、アドオンてんこ盛りされると負けちゃうかも、ですが…
X-Plane 11 の販売形態は4つあります。
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Steam のダウンロード販売
買い方は他のSteamのゲームの購入法と全く同じです。Steam クライアントが無い人はインストールしてアカウントを作りましょう。Steam でのゲームの買い方はネット検索するとなんぼでもでてきます。決済はクレカの他に、コンビニ決済も使えます。
Steam はダウンロード販売ですので、X-Plane の場合はかなりのダウンロード量(インストール時間)が必要になります。ここでちょっとした Tips です。普通に購入ボタンを押して処理すると DLC が全部選択された状態でダウンロードが始まりますが、グローバルシーナリ(地球全域)は各地域に分割された無料 DLC の扱いになっています。なので、例えばとりあえず日本近辺しか飛ぶ予定がなければ、一旦ダウンロードを中断し、設定で DLC の Asia シーナリだけ選択してからDL再開すればインストールサイズとインストール時間を節約できます。
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開発元公式サイトのダウンロード販売
英語ONLYサイトでのクレジットカード決済になりますので、自己責任で。SimMarket でもダウンロード販売がありますが、公式と同じものを SimMarket でも売っているということのようです。Steam 版との違いは、こちらの場合は本家のベータ版プログラムに参加できる事です。Steam版でもパブリックベータはインストールできますが、本家より若干遅れがありまた全てのベータをインストール出来るわけではないようです(私見ですが常時ネット更新が前提のSteamでは巻き戻しは色々と面倒なので、Steam運用でベータをインストールする事自体あまりお勧めできません)
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開発元公式サイトのDVD-ROMパッケージ販売
2. と同じく英語ONLYでクレジットカード決済になるので購入の際は理解と納得をした上でやってください。といってもビビる必要はなく、わたしは Ver 9 はこの本家サイトでパッケージを購入してますので普段から海外サイトでのネットショッピングに慣れてる人は普通にできるはずです。
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日本語版パッケージ販売
DVD-ROM版を日本で購入するなら、こっちが安心でしょう。ヨドバシとかでも売ってます。日本語版と書いてありますが、中身は 3. の本家で購入できるDVD-ROM版と同じものです。X-Plane 11 はメニュー等がおおよそ日本語化(多国籍言語化)されているので、仮に本家英語サイトから購入したとしても全く同じ日本語バージョンになります。『日本語版』の意味は、インストール方法なんかを日本語で書いたマニュアルがついてくる事と、サポートが日本語で受けられるという意味です。ただし日本語サポートできるのはインストール方法とかアップデート方法みたいな事だけで、シミュレーターの具体的な操作はサポートできない、と言われるはずです。言い換えると、一般の日本語ローカライズゲームのような『日本語に翻訳されたシミュレーター操作マニュアル的なモノ』は無いので注意です。もうひとつ、本家DVD-ROMと異なり日本語版では対応OSが Windows のみになっています。本家サイトの DVD-ROM版 の説明は “Universal platforms (Mac, Windows, Linux)” となっており、日本語版DVD-ROMでは実際に Mac/Linux が削除されているのか、それとも中身は一緒だけど “日本語版では Windows OS 以外のサポートは出来ません” という意味なのかはわかりません。
以前の DVD-ROM 版はディスク認証方式だったので、起動時に常に DVD-ROM の DISC#1 をドライブに入れておく必要があり、かなり煩わしかったのですが、X-Plane 11 の場合はアップデート11.05以降はアップデートを行なった後だけのディスクチェックになり、通常起動では DVD-ROM をドライブに入れておく必要がなくなったようです。
これら4種類のうち、DVD-ROM版はディスクチェックがある以外は、ダウンロード版をDVDに詰めて販売してる形なのでほぼ DVD-ROM版 ≒ ダウンロード版とみなせますが、Steam版のみイントール方法が違っていてベータ版も制限がある等やや異質な存在となっています(シミュレーターの動作そのものは全く同一です)。まとめると…
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日本語が使える環境で安心してサクっと購入したい場合
→ Steam または「日本語版DVDパッケージ」 -
新しい機能を搭載したβ版をどんどん試したい、アップデートを待たされるのは嫌!っていう人
→ Steam 以外 -
ディスクチェックとか嫌なんじゃ、だいたい”ディスク1を入れてください”って言われたときどっかに消えてることが多いし、っていう人
→ Steam またはダウンロード版 -
インストールサイズ60G 以上とかバケモンか!うちのネット環境じゃそんなダウンロードできねぇよ…っていう人
→ DVD-ROM版
とまあこんな感じになるかと思います。私は X-Plane 11 は Steam版でプレイしていますが、今なら「日本語版DVDパッケージ」を購入してるかもしれません。
FSX (Microsoft Flight Simulator X) の購入方法
FSX は長く続いた Microsoft Flight Simulator シリーズの最後のバージョンです。2006年発売で、拡張パックの発売、完全日本語ローカライズ版の発売の後、2009年に開発チームが解散しシリーズの終了宣言となりました。もう10年も昔のタイトルということになります。
元々はDVD-ROMのパッケージソフトとして発売されましたが、現在では Steam において “Microsoft Flight Simulator X: Steam Editon” 通称 FSX:SE が通常価格2500円ぐらいで入手できます。マルチプレイ等いくつかの修正とアップデートされたコンパイラでの再コンパイルが行なわれている Steam Edition ですが、実質 FSX:SE とオリジナル FSX はほとんど同じものです。ただし Steam Editon には日本語版はありません。メニューもチュートリアルの音声も全て英語です。日本語ローカライズパッケージ版はメニューやヘルプなど全て日本語化されている他、ミッションモードでの吹き替えに池田秀一を始め有名声優が多数参加していたり、他のシムソフトに比較すると日本語版としての価値が高いので、できれば入手できるようにして欲かったところです。
2018年現在パッケージ版の入手はかなり困難で、とくに日本語版はオークションで高値で取り引きされるレアアイテムとなっています。DVD-ROM版は開発もサポートも完全に終了した製品ですので、現行の Windows PC にインストールすると諸々のトラブルに遭遇する可能性がありますが解決法はご自分でなんとかするしかありません。DVD-ROM版のライセンスチェックはインストール時のネット認証方式です。私はDVD-ROM日本語版を Windows7(Pro-64bit) にインストールしてますが、少なくとも2017年の時点では認証が可能でしたが、今後いつまで認証サーバーがサポートされるのかは不明です。
FSX:SE はインストールフォルダのルートが Steam の固有フォルダに変更されていますが、サブフォルダの構成は FSX と違いはなく、特にSE対応を謳っていないFSX用の古いフアドオンでも手動でインストールすれば使えることが多いので、日本語版にこだわらない限り FSX は Steam で入手するのがお勧めです。※なお FSX:SE でも有志MODである程度の日本語化が可能
10年前のタイトルなので、さすがに今のPCゲームに慣れた目で見ると色々とアラが目立つ部分もありますが、過去の資産の膨大さのおかげで、今も”王道フライトシミュレーター”のおすすめの一つであることには違いがありません。