雑記 カエルのひとりごと

Sapo=カエル

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“管理人 DigiSapo ”…ってなんや? もう地上デジ化とかとうに終っとるで、というツッコミがひょっとしたらあるかもしれないので、最初に書いときます。

ポルトガル語でカエルの事を Sapo (サッポ)といいます。ポルトガル語と兄弟と言われるスペイン語もたぶん同じです(調べてはいない)。

Sapo は男性名詞ですが必ずしもオスの意味ではありません。ロマンス系語であるポルトガル語には名詞に必ず性別がありますが、これは本質的には生物学的性別とは無関係で名詞を分類するための仕組みに過ぎません。

例えば『水』は a água で女性名詞ですが『海』は o mar で男性名詞、『雨』は a chuva で女性名詞です。え?何で???…さあ、知りません。そういうモンと決まってるだけで理屈はありません。大昔のいつか何らかの理由でそう決まったんでしょうが、今となっては何故そうなのか正確に知ってる人はたぶん居ないんじゃないでしょうかね。日本語でモノを数えるときにモノによって数え方が違うのは何でだ?なぜそんな仕組みがあるんだ??何故牛は一頭二頭で鳥は一羽二羽なのにハエも猫も一匹二匹なんだ???なぜそうなんだ??????と問い詰められても「日本語はそういうモンです」としか言いようが無いのと同じです。

名詞が生き物を指す場合は、ほとんどの場合その生命体の性別と名詞の性別が一致します。例えば妻は esposa (女性名詞)で旦那は marido (男性名詞)です。先に述べたように生物としての性別と名詞の性はダイレクト・リンクではないので、単語によって生物を指す場合でも男性名詞か女性名詞に固定されているものがあります。例えば criança (子供)という女性名詞は男の子を示して使う文脈においても女性名詞のままです。しかし同じ子供を指して使う名詞の menino (男の子)は男児にしか使えず、女の子は menina という単語になります。

細かい話になりますが女性名詞と男性名詞が同形の場合もよくあるので注意です。ブラジルの有名なカクテル caipirinha (カイピリーニャ)の語源であるところの caipira (田舎者)という単語は男性でも女性でも caipira です。中年のオッサンが「ワスはピラポラ村のイナカモンだでよぉ!」と言いたいときは”Sou caipira, de pirapora!”となります。これは criança とは異なり、名詞の性は男性と女性の両方があるのですがどっちも同じ単語 caipira なのです。こういう場合は男性と女性で冠詞が変化します。

例文:
“O meu nome é Mônica! Sou uma criança de 9 anos, e uma caipira que moro no interior de São Paulo.”
「あたしの名前はモニカ!9才の子供でサンパウロの山のほうに住んでる田舎っ子よ!」

“O menu nome é CeboRinha! Sou uma criança de 7 anos, e um caipira que moLo no inteLior de São PauRo.”
「ぼくの名前はセボリンニャだよ!7才の子供でサンパウロの山のほうに住んでる田舎っ子だよ!」

※注意: 漫画の Turma da Mônica はカンピーナスの街の住人。この文はあくまで例です。

さて話を Sapo に戻しましょう。Sapo という単語の場合は criança と同じく男性名詞 sapo ひとつで性別を無視した『カエル』を表す、と考えてよいでしょう。女性形の a sapa というのも辞書には載ってはいるのですが日常会話に出てくることはまず無いです。カエルを擬人化したアニメのキャラクターだとか子供向けソングの歌詞だとかで、敢えて女性を強調したい場合には稀にでてくるようですがイレギュラーです。生物学の解説のようなフォーマルな文章においてメスのカエルが出てくる場合はそのまま“sapo fêmeo”(雌ガエル)と表記するのが正しいでしょう。

生物を指し示すのにどちらかの性別しか無い名詞の場合、対になる性の同義語が存在することも多いですが、カエルの場合も rã (カエル)という女性名詞があります。ジョアン・ドナートの曲の題名になってるやつですね。ただし、英語における frog と toad と同様、sapo と rã は厳密にいうとカエルの種類が違っています。英語とポルトガル語の背景文化の違い、さらにはブラジルの文化の違いがあるので完全に一致しているわけではないですが、だいたい frog = rã で toad = sapo と考えて良いと思います。

ブラジル・ポルトガル語にはさらに perereca という単語があって、これもある種のカエルの一群を意味する女性名詞です。ポルトガル語に馴染みのある人なら気がつくかもしれませんがこれはトゥピ・グアラニー由来なので、ヨーロッパのポルトガル語には元々無い単語です。なお余談ですが perereca という単語は俗語で卑猥な意味になる場合があるので、たとえばブラジル好きな日本人女性が自分のニックネームとして採用したりするのはやめたほうが良いかもしれません。

ブラジル・ポルトガル語における sapo, rã, perereca のイメージはこんな感じです
他所様のサイトへのリンク→ A diferença entre sapo, perereca e rã

日本語のヒキガエル、アマガエル、とかいった分類とも異なっているのでこれらの単語を翻訳するときは原語における違いを頭の隅に置いておく必要があります。文化の違いはどうしょうもないので翻訳した語彙は常に原語の意味から若干のズレを生じるのは仕方のないことです。どうしても正確さを期さねばならない場合は敢えて原語をそのまま引き写すという選択も可能ですが安易にそれに頼り過ぎるのも考えものなので、元の文章のエッセンスをコンテクストから読みとってケースバイケースで最善とおもわれる単語を当てはめるよう努力するのが大事だと思っています。

またまた脱線したので話を元に戻すと、Sapo ちゅーのは私のニックネームです。以前の BLOG では管理者の名前は適当に blogsapo とか名乗ってましたが、ここではデジモノをメインで扱うので Digi-Sapo と名乗ることにしました。地デジのアレとは関係ないんかいっ!と言えば、ないんですけど一応ちょっとだけそこにヒッカケてますが深い意味はありません。なんか言い易いからデジサポでええかな、とそんぐらいの気持ですわ。基本的にネーミングとかにものすごくテキトーなんですワタクシ。長々とウンチクたれてきて結局、最後のこの数行の段落だけ読めば済んだ話でした。ここまで長々と読んで頂いた方、ほんますんませんでした。

LINE B!

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