コンパクトなBluetoothゲームPAD『NOBI-CON』ていうの買うてみました。買うてみた、言うてますけど実は買ったのだいぶ前です…。ネーミングからしていつの間にか消えてく系のニッチ商品だと思い込んでたんですけども、こないだ大阪の電気街をフライトシム・コントローラーの販売状況を確認するためにブラついてたら、普通に現行品でこの NOBI-CON を売っているのを見かけて「え?これ息長い商品やったんやな。正直みくびってたわ」…と、反省。今さらながらレビューしてみようかと思います。
まず、正式な商品名は「のび~るコントローラー NOBI-CON」のようですが、これが正式名であるという事からして、もしや笑かしに来てる?という空気が感じられるわけですけども、今回あらためて公式ページをググって探してみたらこれまたユニークでした。
NOBI-CON 公式ページ→ 『でんでん虫と僕 HP』
どこかノスタルジーを感じる朴訥としたデザインのホームページなので、そもそもこれ公式なのか…?と気になってしまいますが、プレスリリースからもリンクされてるので間違いないようです。この公式ページのスローガンに”ヘンテコな商品を取り扱う予定ですので応援よろしくお願いします”とあり、サイトの雰囲気もわざとユルユル感を演出しに来ているので、明確にそういうコンセプトの商品だったんですね。
このように左右にびよーんと伸ばし間にスマホを挟んでバネのテンションで固定すると携帯ゲーム機っぽい見た目になる Bluetooth 接続ゲームコントローラーです。この商品が発売された当初(2014年)はこのタイプのものはこのNOBI-CONぐらいしか見かけなかったような気がしますが、近頃はスマホ特化のゲームコントローラだとこのスタイルをちらほら見かけますね(例)。ちなみにニンテンドースイッチの発売は2017年です。
このNOBI-CONもスマホに特化してるイメージをもたれそうな製品ですが、PC用ゲームパッドとしても使えます…ていうか、後述しますがノートPC用のゲームパッドとしての用途が一番オススメだったりします。
対応OSがパッケージに書いてあるんですが、このうち iOSについては注意が必要です。現行のiOS端末での利用はほぼ出来ないと思ったほうがよさそうです。
さて、開封…といってもだいぶ前の撮影記録です(またか)
ちゃんとした日本語の取説ついてきます。
取説には記載がなかったのですが、オマケとして巾着袋がはいってました。こういうオマケは地味に嬉しい。
充電式です。USB-ケーブルは付属します。PCのUSBポートや、USB充電器で充電できます。言うまでもない事ですが、USBケーブル接続のコントローラーにはなりません。
本体正面。
[A][B][X][Y][SELECT][START] の各ボタンおよび十字キー&アナログ4軸の標準的構成です。
本体奥側。
[L1][L2][R1][R2] のデジタルボタンと、動作モードセレクタ。押し込み圧入力はなくデジタルON/OFFのみです。※DirctInput のみで Xinput モードはありません。
本体手前側。
電源スライドスイッチと、充電用のUSBコネクタです。
こんな感じで左右にのばしてスマホを挟みます。バネはけっこう強めです。
ところで…
パッケージにこんな脅し文言が!!
…しかし『指づめ注意』という文言、公式サイトのユルさや商品コンセプトからして、これも笑かし用のネタちゃうの?と思いきや…
…指を挟むと結構痛いです…私みたいな肉襦袢中年オッサンならともかく、お子さんとかは注意したほうがよさそうですよ。
外観
ゲームパッドの標準的構成をひととおり備えているのに外観はかなりコンパクトです。グリップへの人間工学的な配慮を割り切っているかわりに全体のフォルムが箱状になっているので持ち運びには良さそうです。私はゲーマーというよりはモバイルオタク系なので、こういう製品は有り難いです。
ちなみに私がこのゲームパッドを購入したいと思った動機の一つが、この外見のコンパクトさでした。既にゲームパッドはいくつか所持してたのですが、コンパクトなものはNES/SNESスタイルのデジタル入力しかなく、アナログ軸も付いているXBOX/プレステスタイルはかなりゴッツくて持ち運びには邪魔という状況だったので、この NOBI-CON はかなり魅力的な製品に見えたんですね。ただ、ネーミングにどうもネタ感があり正直あまり期待せずに購入したんですけども、実際つかってみたら思いのほか使える良い買い物でした。
動作モードについて
このゲームパッドは3つの動作モードがあり、本体の奥側面にあるモードスイッチで切り替えます。
このモード・アイコンの絵柄を見て「あー、これがアレでアレがこれやな」と使い方を調べるまでもないと思ったそこのアナタ、それは気のせいですよ(ていうか私も勘違いしてた)。実際の動作はこのアイコンの絵柄と必ずしも一致しませんので、ここで詳述します。
まずドロイド君マークは一見 Android 専用モードっぽいですが、実際の動作は「汎用ゲームパッドモード」で、このモードにして電源を入れると、10デジタルボタン、デジタル2軸、アナログ4軸のゲームパッドとして機能します。なので例えばPCゲームで普通のゲームパッドとして使いたいなら、このドロイド君アイコンのモードにしないといけません。
次にキーボードっぽい絵柄アイコンのモード。これの実態は「マウスモード」です。このモードで電源を入れると、右アナログ軸がマウスの代わりになり、L/Rでマウスクリック、十字キーでカーソルキー入力できるなど、HID準拠マウス&キーボードデバイスとして振舞います(ただし、キーボードはごく一部のキー入力ができるだけですし、マウスホイールの入力はできません)。
最後にリンゴマーク。これは本来は iOS 端末専用のゲームコントローラーである iCade のコンパチ動作モードだったようですが、iOS9以降 API の仕様が変更され旧仕様に合せて作られている NOBI-CON は現行の iOS 端末では機能しないようです。
ということで3つのモードのうち2018年現在最後の iCade モードは使えませんので事実上2モードのどちらかになります。そして普通にゲームパッドとして使いたい場合は Android/PC 関係なく、一番目のドロイド君アイコンのモードで起動することになります。ぶっちゃけキーボード・アイコンのマウスモードは使う場面がほぼないので、常にドロイド君アイコンにあわせておけば普段の利用には十分です。
実際に使ってみた感想
ビョーンとのばしてスマホを挟んで使うのが売りの NOBI-CON ですから、まずは私のメインスマホである Xperia Z5 Premium を試験台に…と思ったところ問題発覚! 微妙にサイズが大きくて入らない…(汗
仕方がないので、以前のメインスマホで今は目覚まし機と化していた一回り小さい Xperia Z2 を使う事に。こいつはもう使い倒してヨレヨレになってるんで強力すぎるバネクランプでガチっとはさむのにも抵抗がありませんし…
当たり前かもしれませんが、ゲームコントローラーとしては普通に使えますね。たまに接続の相性が悪い Bluetooth デバイスにぶちあたると「かーっ!なんで接続できへんねん!なんでブチブチ切れんねんムキー!」と使ってるほうも文句ブチブチでキレそうになりますが、NOBI-CON はその手のトラブルは皆無でした。ただし事前にペアリング済みでも電源投入しただけでは接続せず、左右カーソルを入力してみるとか一度何か入力しないと Bluetooth 接続に入りませんので、そこだけ注意です。
私が実際に各種モードを試したりゲームしてみた動画を記事の最後のほうに貼っておきましたので、興味ある方はご覧ください。
あと、すんません、私フラシム馬鹿なんです。普通のゲームでなくフライトシムでこのコントローラーがどれくらい使えるかどうかも試してみました。じつはコレ買った理由の半分は、フライトコントローラーを持ち運びできない場所でもそこそこ快適にフライトシミュレーター遊べないかな?というチャレンジ(悪足掻き)だったんです…で、ゲーミングノートPCにインストールした FSX:SE や、スマホ版のX-Plane等を NOBI-CON でプレイしてみました。
結論を申し上げます。このコントローラーのような水平にスライドするタイプのアナログ軸は微妙なエレベーターやエルロンのアナログコントロールには全く向きませんでした。ある程度のアナログ入力はできるものの基本的にデジタルパッド的にバッタンバッタンした動きになってしまいがちで、むしろマウスヨークでやったほうがマシなくらいでした。やはり微妙なアナログコントロールが必要なら大柄なゲームパッドのように最低限アナログスティックがレバータイプになってないと無理があります。ただ、NOBI-CON 本来の利用形態であるスマホ挟み込みスタイルでスマホ版 X-Plane をプレイするのは、まるで携帯ゲーム機でガチリアルシムがプレイできるようになったかのような錯覚があり、新鮮な面白さがありました。前述のとおりコントローラビリティは決して良くありませんが
手の平の上でものすごいリアルなシムが動く快感、モバイラー特有の性癖とフライトシマー特有の性癖の両方が融合してしまった感じ
ですかね。
まとめ
これまで1年ぐらい折に触れて使ってみた感想としては、エキセントリックなネーミングとは裏腹にちゃんと基本を押さえた標準的なアナログ軸付きゲームパッドとして安定して使えてます。持ち運びに邪魔にならない、コンパクトなアナログゲームパッドをお探しの方にはけっこうオススメな商品じゃないかと思います。